就活生に向け解説!メーカーの調達ってどんな仕事!?
※この記事はPRを含みます。
メーカーに勤めたい!
私は営業っていう感じでもないから、調達(バイヤー)に興味ある!
でも、調達ってどんな仕事してるんだろう…??
この記事では就活生の皆さんが志望職種を考える際の参考になるような、メーカーの調達職がどんな職種なのか解説していきます。
「営業」と聞けば、志望している会社の商材(サービスだったり物だったり情報だったり)をお客様に売り込んで売り上げをあげる仕事というのは想像しやすいのではないでしょうか?
メーカーに就職したい!という方で営業はちょっと向いてない気がするけど、営業と同じぐらい花形部署である調達業務が気になっている!という方もいらっしゃるかと思うのですが、営業ほど携わる社員数が少ないことの多く、仕事内容が想像しにくいですよね。
私は日系大手の機械メーカーで2年間働き、全体研修終了後の1年半は調達業務に関わっていました。その経験をもとに調達の仕事内容や大変な面、逆に楽しい面を詳細にご紹介できたらと思います!
就職活動をしていて、調達に興味があるけど中々調達業務の内容を知る機会がない!!という方に調達マスターになってもらえるような記事になっておりますので、最後まで目を通していただけると幸いです^^
※会社によって調達部署がどこまでの範囲の業務を行なっているかは多少差があるかと思いますので、業務範囲を深く知りたい!という方は志望企業の人事担当までお問い合わせくださいね♪
Contents
【就活生必見!】メーカー調達の仕事内容
調達部署で働いている社員を「バイヤー」と言います。
Buyする人なので、超簡単にいうと社外から物(サービスの場合もあり)を買ってくるお仕事です!
会社の経費でお買い物するってめっちゃいい仕事やん!
上記のように「会社のお金でお買い物するのが仕事って楽しそう!」って思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、会社=営利企業です。好き勝手にお買い物していいわけではありません。
メーカー(機械メーカーを想定)では買ってきた物(部品など)に付加価値をつけてお客様に販売することが仕事なので、単にお買い物してきたらいいの?と言われるとそんなに簡単ではないのです。
では、バイヤーはどんなことを意識して仕事をしているのでしょうか??
調達の世界ではQCDとよく言われるのですが、
Q:クオリティー つまりよりよい品質のものを買う!
C:コスト つまり価格がより安いもので原価を低減する!
D:デリバリー つまり欲しい時に欲しいものが到着しているようにする!
この3つが調達部署の使命なのです。
営業がどんだけ売り上げを上げてきても、原価が膨れ上がれば利益は生まれません。
つまり、これまで3円でかってきたネジと4円でかってきた木材で机を作り、10円で販売していたとします。
材料費7円と組み立てなど諸経費が1円だった場合に、2円が会社の利益となる訳です。
さらに、バイヤーが材料費を7円から5円に下げることができたら、利益が4円となる訳です!
つまり、営業とともに利益に直結するのが調達の腕にかかっているのです!これが調達はメーカーの花形部署だと言われる所以でもあるのです。
【就活生必見!】メーカー調達の業務内容
メーカー調達の業務内容はご理解頂けたと思いますので、具体的に日々の業務はどんな仕事をしているのでしょうか?
今回はQCDに分けて、一つずつどんな業務があるのか記していきます!
会社によって、一人のバイヤーが担当のものに関してQCDを一貫して見ていることもあれば、QCDそれぞれに担当がいたり、QやDは他部署が担当している場合もありますので、詳細は各会社へご確認お願いします。
また、私が機会メーカーで機械の部品を調達しておりましたので、その実体験をご紹介していきますね!
調達 品質関連の業務
家電を購入した時に、電源を入れたのに動かなと、不良品を引いてしまったとガッカリしますよね。
社内の組み立てでミスが起きていることもありますが、社外から買ってきた部品の不具合でお客様をがっかりさせてしまうこともあり得ます。
このようなことが起きないように、より不良品を出さない部品供給会社(サプライヤーと呼びます)を探したり、サプライヤーと一緒に品質改善の活動を行ったりしていました。
もちろん、バイヤーは品質に関するプロではありませんので、品質管理部と協力して、サプライヤーの製造工程の監査を行ったり、品質改善計画が予定通り行われているか定期的に打ち合わせで確認したりしていました。
ものづくりに興味がある方や、機械に関する幅広い知識を得たい方にとってはとっても面白いです♪
調達 コスト関連の業務
調達業務の一番の大仕事と言っても良いのが、買うものの価格を決めることと買うものの価格を下げることです。
具体的にどんな業務をするのかというと、サプライヤーから見積もりをもらって精査し、「この値段で買います!」と発注を出します。
私の会社ではネジや板金(鉄とかアルミの板)からモーターから半導体から沢山の種類の部品を買っていましたが、それぞれの部品群に複数社の主要サプライヤーがいました!
そのため、相見積もりという複数のサプライヤーに同じ部品の見積もりを取って、一番安いところに決めることもあります。
他にも、特定のサプライヤーと原材料をより安いものに変えたり、工法(どう作るか)を工夫して価格を下げれないかと取り組みをする場合もありました。
何万という部品が使われていたので、開発部署と協力して部品の共通化(同じ部品を多くの機種で共通して使えるようにする)を進めて、その分沢山買うから部品単価をお安くして!ということもしていました。
他には日本で部品を買うよりも海外製の部品の方が人件費が低いことなどもありお安いことが多いので、海外製の部品に乗り換えよう!ということもしていました。
部品の値段を下げる取り組みを沢山ご紹介しましたが、ただ値段を下げれば良いというわけではなく、「品質」や「納期」も担保するため、その都度一番良い方法を選んで値段の決定をしています。
ここでこぼれ話ではありますが、値段を優先して中国から部品を沢山引っ張っていたのですが、新型コロナの流行し始めた頃、物流が大乱れしてかなり痛い目にも遭いました。
いつもは船で運んでいる物を飛行機で日本へ送ったりしたので、逆にお金がかかったこともありました。
調達 物流業務
物流業務で一番多かったのは納期調整です。
お客さんがもっと早く商品が欲しい!とおっしゃられたり、社内の営業のミスで生産するぞ!っていうシステムの入れ込みができていなかったり、、
理由は様々ですが、通常必要な部品調達リードタイムよりも短いリードタイムで部品を調達する必要がある時があります。
その時は、現状だと必要な時に部品が届かない理由を明らかにし、原因の潰しこみを行います。
一番多かったのは、物流関係です。車で九州から週に1便の定期便で送ってきているので無理です、となれば別でトラックを手配して部品の納期調整をしました。
部品作る準備は完璧なんですが、原材料がないです!とサプライヤーから相談が来た際は、自社内や他サプライヤーで同じ原材料がないかを調べ、融通することもありました。
かなり、細かなそして泥臭い作業の連続ではありますが、納期短縮成功した際はとてもやりがいを感じましたよ♪
もっと具体的に知りたいことなどあれば、コメントいただければ嬉しいです。
調達に向いてる人はどんな人?
①コミュニケーション能力が高い人
コミュニケーション能力の高い方!調達業務向いています!!
コミュニケーション能力といっても、同世代と仲良く話せます!という意味ではありません。
どんな年齢の方・どんな役職の方ともしっかり対等に話ができることが必要になります!
なぜなら、サプライヤーは大企業から中小企業まで様々だからです。(機械メーカーあるあるかとは思いますが)
サプライヤーが大手企業であれば、営業の担当レベルの方と会話することが多く、はたまた中小企業のサプライヤーであれば営業部長や時には取締役の方などとも交渉したりもしていました。
そのため、どんな方ともお話しができる方は向いていますし、人と話すことが苦にならなければ話し方などは仕事をしていく中で徐々に身につきます。
細かい作業が苦にならない人
サプライヤーの営業との商談も大事な仕事です。商談の中で決まったことを書類に落とし込んだり、単価をシステムに登録したり、発注処理をすることも日々の業務の中では多くのウエイトを占めます。
おおよそ、時間でいうと商談は1日のうちの多くて2時間程度、少なくて30分程度でした。
それ以外の多くの時間はメール対応や先ほどご紹介した事務作業をしていました。
調達はお金に関わるため、0の数を一つ間違えて100円が1000円となってしまうだけでも大変な事件になります。
細かい作業を地道に処理することが苦にならないことも調達業務に携わる人に必要な素質の一つかなと思います!
調達業務のやりがいと辛いこと
調達のやりがい
①外の世界と触れ合える!ことが楽しい!
社内向けの仕事をしていたら、外の世界(特に他の会社)の当たり前が分からなくなったりします。
調達はサプライヤーという他社=外の世界と沢山触れ合うことができ、価値観を広げることができます。
広い視野を身につけたい方や、転職も視野に入れている方にぴったりかと思います。
②お客様からありがとうの声が届く
私の前職の担当機械はBtoBでしたが、お客様の希望通りの納期に完成品をお届けできた際は、お客様含め営業部署から感謝されることも多かったです。
これは本当に日々の仕事がしんどくても、やってて良かったと思えました!
辛いこと
私が辛いと思ったことは一つだけです。とにかく、あらゆる方面からのプレッシャーが大きいことです。
一番はコスト面で営業の目標と同じように、原価低減○%であったり、△円に原価を抑えると言ったノルマのようなものは存在します。
私はノルマがあるから営業に行きたくない!と思っていましたが、調達でもノルマと同じようなものがあったことは部署希望を出す前に知りたかったなと思いました。
しかし、価格面に関しては部署内・チーム内で補い合いながらなんとか目標達成をしています。
納期的にも自社の製造ラインや営業からの圧を感じることも多かったので、部署内外からプレッシャーが強いので精神面のタフさは必要やなと思います。
調達業務に携わって間もないころ、製造部署の怖いおっちゃんからめちゃくちゃ怖い声で「どうなってるのか」という電話が内線でかかってきて涙目になって仕事してたこともありました。。
このようにプレッシャーというのは調達業務が社内で重要であるが故ではありますが、慣れるまでは結構ストレスフルでした。
最後に
前職で経験した調達の仕事についてご紹介してきました!
就活時期から調達興味あります!スタンスで面接でお話ししたりしておりましたが、
イメージ先行で調達という業務をちゃんと理解せずにいたところもあり、後々ちょっぴり後悔した部分もあります。
出来るだけ詳しく前職を思い出して記事を作成しましたので、参考になれば幸いです。
調達に関してもっとこんなこと知りたい!ということありましたらコメントください^^